約束 ~16年目の真実~ Blu-ray BOX 中村アン 横山裕
春ドラマがほぼ最終回を迎えた。今期の特徴として感じたことのひとつは、「登場人物の記憶喪失設定がかぶっている」とも言われたなか、意欲的なオリジナル脚本のサスペンスが並んだこと。
特異な主人公設定と意外性のあるストーリーで話題になった『アンチヒーロー』(TBS系)のほか、ヒューマンドラマの要素が色濃かった『Believe -君にかける橋-』(テレビ朝日系)、どぎつい韓国ドラマそのままだった復讐劇『Re:リベンジ-欲望の果てに-』(フジテレビ系)、第1話から本筋以外でも話題になった『Destiny』(テレビ朝日系)などは、ネットニュースで取り上げられ、SNSも盛り上げた。
そんななか、サスペンスの王道とも言えるストーリーテリングで視聴者を引き付けていたのが『約束 ~16年目の真実〜』(読売テレビ)だ。
約束 ~16年目の真実~ Blu-ray BOX 中村アン 横山裕
ドラマ『体感予報』『約束~16年目の真実~』など出演の樋口幸平、2023年に『ジャックフロスト』でドラマ初主演を務めた本田響矢、NHK連続テレビ小説『虎に翼』に轟太一役で出演中の戸塚純貴が「初デート」「2度目ましてのデート」「同棲中カップルのデート」の3つのシチュエーションを熱演。甘酸っぱい撮り下ろし写真が掲載される。
『約束』がほかのドラマと異なっていたのは説得力だ。多くのドラマが、物語の起点となる設定そのものにリアリティが乏しく、その後の展開も謎のための“都合のいいストーリー”と感じてしまう点が多かったのに対して、『約束』は終始違和感を抱かせずに、事件の謎と物語の行く末に関心を向けさせた。